本校には関東大震災翌年の大正13年(1924年)7月に納品されたスタインウェイ(Steinway & Sons)のグランドピアノ(A型:1923年New Yorkで製造)があります。スタインウェイは世界で最も有名なピアノの代表格であり、公立高校でこれを所有していることは極めて珍しく貴重なことです。
太平洋戦争の戦火も乗り越えて、音楽室で授業や部活動に使われてきましたが、経年のために傷みや破損も目立つようになり、現校舎では4階多目的ホールの片隅に半ば放置された状態で、校内でもこのピアノのことを知る人は限られ、不遇な存在になっていました。
一昨年、このピアノを何とか使えるようにできないか、25回卒業生の専門家に調べていただいたところ、修復する価値が十分にあるとの判断をいただきました。そこで、本校同窓会である鷗友会に修復の可能性について打診したところ、来る創立130周年記念事業のひとつとして、前倒しの形で実施していただけることになりました。修復作業は前述の卒業生の方に担当していただけることになり、昨年3月に学校から搬出され、半年以上の作業期間を経て12月に音楽室に納入されました。
この日午後、修復されたスタインウェイのお披露目と、鷗友会への感謝の気持ちを込めて、在校生による記念演奏会を開催させていただきました。鷗友会からは会長様はじめ2名の方にお越しいただき、生徒会・音楽科・学校長からお礼の言葉をお伝えさせていただきました。昨年、26回卒業生の方から寄贈していただいたヤマハのグランドピアノと共に、末永く大切に使わせていただきたいと思います。
卒業生の皆様方、機会がありましたら甦ったスタインウェイの奏でる音を是非聴きにいらして下さい。また、鷗友会では白鷗のスタインウェイについての情報を募集されていますので、何かご存知のことがありましたらご連絡下さい。
記念演奏会 演奏曲目
(1) 2台ピアノのためのソナタ ニ長調 第1楽章K.448/W. A. Mozart
(2) 「くるみ割り人形」より序曲/P. I. Tchaikovsky
(3) カントリーロード/日本語訳詞:鈴木麻実子・曲J. Denver・B. Danoff・T. Nivert
(4) ピアノ・ソナタ 第24番 第1楽章/L. v. Beethoven
(5) 合唱曲「俵積み唄」/詞:青森県民謡・曲:松下 耕
(6) バラード 第1番/F. Chopin